水とライフスタイル
ウォーターサーバーの子供の事故対策【やけどやイタズラ、転倒など】
2019/12/19冷水・温水をすばやく使えるウォーターサーバーは、忙しい主婦の強い味方です。しかし、小さな子供がいるご家庭では、イタズラや転倒によるトラブルが心配で、導入を躊躇しているケースもあるのではないでしょうか? そこでここでは、ウォーターサーバーにまつわる子供の事故TOP3と、事故防止のための安全対策をご紹介します。
ウォーターサーバーによる子供の事故原因TOP3
家の中には生活に欠かせない機器や家電が多いですが、実は子供にとってたくさんの危険が潜んでいます。
独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が行った調査によると、2013年~2017年の5年間に、屋内製品による子供(0歳~6歳)の事故があったのは125件。このうち、事故原因にウォーターサーバーが関係しているもの(温水によるやけどがあった事故)は16件でした。
ウォーターサーバーは高い安全性で設計・製造されていますが、誤った使用方法やイタズラなどが原因で、事故が起こることがあります。
ウォーターサーバーでなぜ事故が起こるのか?
その具体的な原因を以下でご説明します。
◇ ウォーターサーバーによる子供の事故原因①やけど
子供が温水コックに触れたり遊んだりすることで温水が吐水され、やけどにつながる危険があります。実際にやけどの事故が起きた、いくつかの事例を見てみましょう。
- 子供がウォーターサーバーにぶら下がるような体勢をとった際、
チャイルドロックが解除され温水が出て、やけどを負った - チャイルドロック機能が効かず、温水レバーに触れた乳児(10ヵ月)に温水がかかり、やけどを負った
ウォーターサーバーの事故のなかでは、やけどは最も起こる可能性が高いものです。「チャイルドロックつきのウォーターサーバーを利用する」でご説明していますが、解除しにくい仕組みのチャイルドロック機能がついたウォーターサーバーを選ぶことが、有効な対策です。
また、ウォーターサーバー背面の高温部(※)に触れることにより、やけどの恐れがあります(※東京都生活文化局消費生活部 ウォーターサーバーの安全生に関する調査より)。
※高温部とは、放熱用のコンプレッサー、温水用ヒーター、冷水用コンプレッサーなどをいい、構造によっては付近の金属部品も高温になる可能性があります。
◇ ウォーターサーバーによる子供の事故原因②電気コンセントからの感電・漏電
ウォーターサーバーの設置方法や管理が適切でないと、漏電や感電につながる可能性があります。子供が漏電箇所やコンセントに触れることで感電の危険が高まるため、よくある事故原因を参考にトラブルを防ぎましょう。
- 延長コードの使用やタコ足配線は異常発熱の原因になり、感電する可能性がある
- 電源コードを束ねたり、無理な力を加えたりすることで傷が入り、
傷に触れた子供が感電する可能性がある - 幼児に一人で操作させると、濡れた手で電源プラグを触ったり、口に入れたりすることで感電の可能性がある
- アース接続をしていないと漏電時に感電する可能性がある
有効な対策としては、「子供の手の届かないところにウォーターサーバーを設置する」でご説明していますが、ウォーターサーバーを物理的に遠ざけてしまうことです。
◇ ウォーターサーバーによる子供の事故原因③転倒
つかまり立ちができるようになる10ヵ月齢の赤ちゃんは、ママの後を追う「あと追い」も始まり、行動範囲が広がります。ウォーターサーバーの注ぎ口や受け皿などは赤ちゃんが掴まりやすい高さにあることも多く、転倒につながる危険があります。
また、1歳6ヵ月~2歳ごろになると自我が発達して「ママの真似」や「お手伝い」をしたがるように。日ごろウォーターサーバーを使っているご家庭では、子供が一人でウォーターサーバーを操作しようと背伸びをしたり、踏み台に乗ったりしないように注意する必要があります。
以下では、大人が見ていないところで子供が転倒してしまった事例を見てみましょう。
- 1歳の子供が転倒し、ウォーターサーバー背面の金網で指を深く切るケガをした
- ふらついた子供がウォーターサーバーに掴まり、製品ごと倒れてケガをした
このような転倒への対策としては、転倒防止ワイヤーの使用がおすすめです。
ウォーターサーバーの子供の安全対策
次に、小さな子供がいるご家庭で、ウォーターサーバーを安全に使用するための対策をご紹介します。
◇ チャイルドロックつきのウォーターサーバーを利用する
チャイルドロックには、物理的なロックができるコック式や、電子制御がかかるボタン式などがあります。やけどなどの事故を防ぐには、子供が勝手に操作したり、たまたま解除できたりしないようなボタン式のチャイルドロックが備わっていると安心です。
また、操作方法は子供が真似しにくい、やや複雑のもののほうが安全生は高くなります。2段階、あるいは二重でロックがかけられるようなウォーターサーバーだと、小さな子供がいても安心できますね。
安全性の高い電子制御式の2段階ロック(ウォーターサーバーGrande)
◇ キーロックが付いているウォーターサーバーを利用する
さらに、ウォーターサーバーのなかには、全ボタンの機能を抑制できるキーロック機能がついているタイプもあります。キーロックとは、全ボタンの操作が効かなくなるようにロックをかけられる機能のことです。ウォーターサーバー自体の電源はオンになったままなので、使用時はロックを解除するだけで、すぐに冷水・温水を出すことができます。
キーロックが付いていると、子供が冷水・温水を勝手に出せなくなるのはもちろん、運転モードの変更や内部クリーンボタンなどを押されてしまう心配もなくなります。
◇ JDSAの適合マークを取得したサーバーを利用する
JDSA(一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会)が作成した「乳幼児の火傷事故防止対策に関する指針(ガイドライン)」の基準を満たすサーバーは、適合マークの表示ができます。
JDSAのガイドラインでは、ウォーターサーバーの操作に必要な力や手順などに対する細かい基準が設けられています。そのため、JDSAの適合マークが表示されているウォーターサーバーは、やけど事故への対策がしっかりしていると判断できます。
適合マークを取得しているウォーターサーバーは、こちらのリストから確認できます。
JDSAの適合マークを取得したサーバー一覧
◇ 転倒防止ワイヤーを使用する
>チャイルドロックを解除できなかったとしても、体重をかけて製品ごと転倒すれば子供が下敷きになってしまうリスクがあります。
ウォーターサーバーを設置する際は、壁に固定する転倒防止ワイヤーを使用することで、予期せぬ転倒を防げます。背面に転倒防止ワイヤーが付いているウォーターサーバーも多いです。
◇ 子供の手の届かないところにウォーターサーバーを設置する
子供の手が届く場所にウォーターサーバーがあると、遊んでいる内にチャイルドロックを解除してしまうことも考えられます。子供がイタズラをする可能性があれば、そもそも手の届かない位置(チャイルドゲートの内側など)にウォーターサーバーを設置するのもひとつの対策です。
また、高いところに設置できる卓上タイプのウォーターサーバーもおすすめです。間仕切りやチャイルドゲートの設置が難しい場合、キッチンカウンターやダイニングテーブルなど、子供の手が届かない高所への設置も検討してみましょう。
ウォーターサーバー選びは子供の安全対策を考慮すべき
子供とウォーターサーバーにまつわる事故原因は、「やけど」「感電・漏電」「転倒」の3つです。ウォーターサーバーは生活を便利にしてくれますが、子供の事故につながる可能性もあるということは、十分に理解しておく必要があります。
ウォーターサーバーの導入を検討する際は、チャイルドロックや転倒防止ワイヤーなど、子供の安全対策をしっかりと行えるウォーターサーバーを選ぶようにしましょう。