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水分補給でお茶、なぜダメ?お茶よりも水をおすすめする理由を解説

2020/11/20

「お茶で水分補給するのは良くない」 「お茶には利尿作用があるから脱水症状を招いてしまう」 このような話を聞いたことがあるかもしれません。はたして、お茶は水分補給に適していないというのは本当なのでしょうか? 結論を先にお伝えすると、お茶で水分補給するのがダメというわけではありませんが、完全に水の代わりになるわけでもありません。お茶を水分補給のメインにすべきでない理由や水分摂取の理想的な方法について解説していきます。

お茶でも水分補給になる【絶対にダメというわけではない】

まず、お茶を飲むことが水分補給になるのかどうかということですが、結論をいえばお茶にも水と同様、水分補給の効果が期待できます。

「お茶を飲んでも水分補給にはならない」といわれてきたのは、緑茶や紅茶などに含まれているカフェインの利尿作用により水分の吸収が阻害され、脱水症状を招いてしまうとされていたからです。

しかし近年では、カフェインによる脱水症状は否定されつつあり、「大量に摂取しなければほとんど影響はない」という説が広がりつつあります。したがって、お茶で水分補給をすることがダメというわけでは必ずしもありません。

とはいえ、水分補給はできるだけお茶ではなく水をメインにすることを推奨します。お茶に含まれる成分のなかには、摂りすぎると体に良くない影響を与えるものがあるからです。

お茶を水分補給のメインにしないほうがいい5つの理由

カフェインによる脱水症状の心配がないとしても、お茶を水分補給のメインにするのはオススメできません。ここでは、その主な理由を5つご紹介します。

◇ 1. シュウ酸が尿路結石のリスクを高める

緑茶(煎茶・玉露)や抹茶・紅茶などに多く含まれるシュウ酸は尿路結石のリスクを高めることが知られています。尿路結石が出来てしまうと、結石の大きさや位置によっては無症状の場合もありますが、側腹部から背中への激しい痛み(疼痛発作といいます)や頻尿・残尿感、血尿などの症状が現れることもあります。

日本泌尿器科学会などが編集した「尿路結石症診療ガイドライン2013」によると、尿路結石の原因の70%は食事などからのシュウ酸摂取であり、予防法はシュウ酸の摂取コントロールだとされています。

お茶はあくまで嗜好品。1日数杯程度に留めておいたほうがよさそうです。

◇ 2. カフェインが睡眠の質を落とす

お茶に含まれるカフェインは、1日100mgの摂取から睡眠の質を落とす(睡眠時間の短縮や眠りに入るまでの時間の延長)とされています。

緑茶(煎茶や玉露など)やウーロン茶、紅茶にはカフェインが豊富に含まれているので、飲みすぎてしまうと睡眠の質に影響してしまう可能性があります。参考までに、お茶に含まれるカフェイン量を以下に記載します。

ちなみに、カフェインの一日の摂取許容量についての明確な基準は日本国内では策定されていませんが、たとえばEUの欧州食品安全機関(EFSA)は「成人の場合、1日400mg以内なら安全性の問題はない」と発表しています。

以下に記載している摂取量目安は、この400mg以内という基準をもとに算出しています。

<お茶に含まれるカフェイン量>

✔  玉露:160mg(茶10gに対して60℃のお湯60mLで2.5分という条件で抽出。摂取量の目安は1日に2杯まで)
✔  煎茶:20mg(茶10gに対して90℃のお湯430mLで1分という条件で抽出。摂取量の目安は1日に20杯まで)
✔  ウーロン茶:20mg(茶15gに対して90℃のお湯650mLで0.5分という条件で抽出。摂取量の目安は1日に20杯まで)
✔  紅茶:30mg(茶5gに対して熱湯360mLで1.5分~4分という条件で抽出。摂取量の目安は1日に13杯まで

出典:日本食品標準成分表

◇ 3. お茶のポリフェノールが歯の着色原因になる

お茶に含まれるタンニンというポリフェノール成分は、歯の着色汚れ(ステイン)の原因になります。

お茶を飲んだ直後にうがいや歯磨きをすれば歯の着色汚れをある程度防げますが、いつもそれができるとは限りません。白い歯を保ちたい方やホワイトニング中といった方は、お茶の飲みすぎは避けたほうがいいでしょう。

◇ 4. タンニンが鉄の吸収を阻害する

タンニンは鉄との相性が悪く、鉄の吸収を阻害してしまいます。

鉄が不足するとヘモグロビンが十分に作られないため、貧血の要因となってしまいます。その結果、酸素が体にうまく運搬されず、顔色が悪くなったり、動悸やめまいが発症したりしてしまいます。貧血気味の方は、食事中のお茶の摂取は控えたほうがいいかもしれません。

◇ 5. 体を冷やす作用がある

煎茶や玉露、抹茶、麦茶などには体を冷やす作用があります。これらのお茶に含まれるカフェインやカリウムには少なからず利尿作用があるので、排尿時に体の熱が奪われることが原因です。これらの体を冷やす作用は、お茶を温めて飲んでも変わりません。

冷え性の方は特に、体を冷やす作用のあるお茶の摂りすぎには注意してください。

水分補給のメインは水が最適!オススメの飲み方

健康的に水分を補給するためには、余計な成分が含まれていない水が最適です。この章では、水分摂取量の目安や「なかなか水が飲めない」という方向けのアドバイスを紹介します。

◇ 1日最低1.2リットルは飲みたい

環境省の「熱中症環境保健マニュアル」によると、人間は1日に2.5リットルの水分を失うとされています。食事から約1.0リットル、体内の生成で0.3リットルの水が補われるので、不足分の1.2リットルが飲み水としての摂取量目安です。

1日に必要な水分の摂取量については、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

正しい水の飲み方をすれば健康・美容に効果的!?タイミングや補給方法を紹介

◇ 水が飲めない!それならフレーバーをつける

日ごろからジュースやお茶を中心に水分補給していた方が急に水に切り替えると、少し味気なく感じられるかもしれません。

そのような場合には、レモンやライムなどで水に香りをつけて飲みやすくするのもオススメです。

たとえば、水に輪切りにしたレモンを3枚ほど浮かべて2~3時間ほど冷蔵庫で冷やすだけで、レモンの香りがするフレーバーウォーターを楽しめますよ。

関連記事:朝のレモン水は嬉しい効果がたくさん!おすすめの作り方を紹介【簡単】

まとめ

以前は「カフェインには利尿作用があるので、お茶で水分補給するのは良くない」とされてきましたが、実はお茶にも水分補給の効果は期待できます。
ただ以下のようなリスクを考えると、水分補給のメインは水がおすすめです。

1. 尿路結石のリスクが高まる
2. 睡眠の質が落ちてしまう
3. 歯の着色原因になる
4. 鉄の吸収を阻害する
5. 体を冷やす作用がある

健康的に毎日を過ごすには、一年を通じた日々の水分補給が不可欠です。お茶やジュースではなく、水をしっかり摂って健康維持につなげましょう。

水分補給の大切さや健康への効果については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

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参照元


山中亜希


<監修者プロフィール>


名前:山中 亜希


2004年、ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE」の立ち上げと同時にイタリアにてアクアソムリエの資格を取得。2008年より、アクアソムリエを養成する日本初のミネラルウォーターの専門スクール「AQUADEMIA」を開校し、校長に就任するとともに、ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE」のディレクターとしても活動。ミネラルウォーターの正しい知識・情報の普及のために、セミナーや講演、企業へのコンサルティング業務などを行っており、海外からもセミナーの講師として招聘されている。

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