水とライフスタイル
便秘には水分補給が大事?便秘解消のための正しいハウツー
2020/07/16「便秘には水分補給が大事」だと思っていませんか?しかし実は大量の水を飲んでも、便秘が解消するわけではありません。快適な排便には、水だけでなく、脂質やマグネシウムの摂取も必要だからです。 もちろん、水分は便の硬さを決める大事な要素ですが、単純に水分の摂取量を増やすだけでは、便秘は解消しません。そこでこの記事では、便秘解消に効果的な正しい水分補給の方法を解説していきます。
便秘解消に効果的な水分補給のポイントとは?
便の主成分は、口から摂取したものでいえば食物繊維と水分です。水分摂取量が多ければ便はやわらかくなりますし、水分があまりにも少ない場合は便が硬くなってしまいます。ですから、便の硬さを決める水分は、便秘解消に欠かせないものです。
ただし、ここでひとつ注意点があります。それは、適度な硬さの便にするために水分が必要だとしても、大量に飲めば便秘が解消するわけではない、ということです。
◇ 水を大量に飲んでも便秘は解消しない
一般的な成人における1日の水分摂取量は、2.5リットルが推奨されています。このなかで飲み水から摂取するのは、1.2リットル程度です。便秘中でも、この推奨量は変わりません。
なぜなら、1日の水分摂取量を1リットル~2リットル増やしても、尿がたくさん出るだけで排便量に大きな変化がないことが、研究で判っているからです。大量に摂取した水は腸で吸収されて尿として排出されます。つまり便にまで届かない、ということです。
◇ 朝起きてすぐにコップ1杯の水を飲むことが効果的
便秘解消に効果的なのは、朝起きたらまずコップ1杯(200mlほど)の常温の水を、勢いよく一気に飲み干すことです。胃に入った水の重さによって、その下にある大腸を刺激する目的があります。
便秘解消には、ゆっくり少しずつ飲むのではなく、コップの水を一気に飲み干すことを心がけてください。水の刺激によって腸のぜん動運動が促されると、便意が生じやすくなります。
起床時のコップ1杯を飲み終えたら、あとは以下のタイミングで、1日8回に分けて水分補給をしていきます。
- 起床時
- 朝食時
- 10時頃
- 昼食時
- 15時頃
- 夕食時
- 入浴時
- 就寝前
ちなみに大量の水を一気に摂ると、24時間休みなく動いている腎臓に大きな負担をかけてしまいます。また、むくみの原因にもなるので、便秘に悩む方であっても、水は1日8回を基本に「こまめに」飲むようにしてください。
正しい水分補給の方法をより詳しく知りたい方は、以下のページも確認してみてください。
関連記事:正しい水の飲み方をすれば健康・美容に効果的!?タイミングや補給方法を紹介
水分と一緒に油とマグネシウムも取り入れてみよう
便秘解消の効果をさらに高めるには、先述の水分補給の方法を実践するとともに、油とマグネシウムを食生活に取り入れるのがおすすめです。
◇ 植物性の油を摂取する
実は「油」も、便の硬さを決めるうえで非常に大切な成分です。以下のような油に含まれる不飽和脂肪酸には、便の滑りを良くしたり、緩やかに腸を刺激したりすることで、ぜん動運動を促す滑腸作用があります。
✔ リノール酸
✔ オレイン酸
✔ リノレン酸 など
腸に良い油を効率よく摂取するには、肉などに含まれる動物性油脂よりも、不飽和脂肪酸が多い以下のような植物性油脂を選ぶのがおすすめです。
✔ オリーブオイル
✔ グレープシードオイル
✔ 紅花油
✔ ごま油 など
最も手軽な摂取方法は、「スプーン1杯のオリーブオイルを飲む」というものです。大腸に届いたオリーブオイルは、滑腸作用によって便をスルッと出やすい状態にしてくれます。また、油をそのまま飲むことに抵抗がある方は、朝食のヨーグルトやサラダに不飽和脂肪酸の高い油をかけてみてもいいでしょう。
ほかには、すりゴマもおすすめです。リノール酸が豊富ですし、油と食物繊維をダブルで摂取できる食材だからです。
◇ マグネシウムを摂取する
マグネシウムは、腸内の水分を集めて便をやわらかくしてくれる成分です。腸の内容物が水分で膨張すると、腸管を刺激して排便が促進されるようになります。マグネシウムを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
✔ ひじき
✔ あおさ
✔ ココア
✔ いりごま
✔ アーモンド
✔ 納豆
✔ 木綿豆腐
✔ アサリ など
便秘に悩んでいる方は、これらの食品を毎日の食事に取り入れてみましょう。もちろん、マグネシウムの摂取のみに頼るのではなく、トータルバランスの良い食習慣を心がけてください。
まとめ
大量の水を飲んでも、便秘解消にはつながりません。水分は便の硬さに影響しますが、正しい飲み方を意識しないと、ただ尿として排出されていくだけです。
便秘に悩む人は、朝コップ1杯の水を飲んで腸を刺激するのがおすすめです。それ以降の時間帯は、1日トータル8回に分けて水分補給をしていきます。そうすることで、腎臓にかかる負担も軽減できます。
また、さらに便秘を解消しやすくするために、便の滑りを良くする植物性の油や、便をやわらかくするマグネシウムも、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。