水とライフスタイル
天然水とRO水の違いとは? それぞれの特徴を比較
2019/10/10ミネラルウォーターやウォーターサーバー水には、「天然水」「RO水」という種類がありますが、それぞれどのような特徴やメリットの違いがあるのかご存じでしょうか?「天然水といえばおいしそう」「RO水は安全そう」と漠然としたイメージがあるかもしれません。 今回は、天然水とRO水の違いについて、比較を交えながら解説いたします。それぞれの違いを確認して、どちらの水がご自身に合っているのか、参考にしていただけたら幸いです。
天然水とRO水の違い
天然水とRO水の違いは、水の処理方法や水源の違いです(下の比較表にもありますが、味や価格も異なります)。ミネラルウォーターやウォーターサーバー水は、飲用水として飲める状態にするために、殺菌や除菌などの処理がメーカーの工場にて実施されています。天然水とRO水の概要や処理方法は、具体的には以下の通りです。
◇ 天然水とは
農林水産省が公表している「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」において、天然水とはナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターのことを指しています。これら以外の水は「天然」の用語を使用することは禁じられています。
ナチュラルウォーターやナチュラルミネラルウォーターとは、特定水源となる地下や川から採水された水で、ろ過や沈殿、加熱殺菌などの必要最低限の処理しかおこなわれていない水のことを指します。
天然水にはカルシウムやマグネシウムなどの天然ミネラルが含まれており、まさに天然の恵みです。
<水の種類についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ>
⇒ミネラルウォーターと水道水の違いとは?硬度・安全性を徹底比較
◇ RO水とは
RO水とは、水道水や天然水をRO膜(Reverse Osmosis)でろ過した水のことを指します。RO膜は、0.0001ミクロンの超微細なフィルターであり、細菌などの不純物だけではなく水に含まれているミネラルも取り除かれてしまいます。
RO水はミネラルが少ない純水に近い状態なので、飲用水としてはあまりおいしくありません。そのため、市販のRO水は人工的にミネラルが添加されているケースが一般的です。つまり、RO水とは人工的に作られた水ということになります。
※ミネラルを人工的に加えたRO水のことを「デザインウォーター」と呼ぶこともあります。
以下に、天然水とRO水それぞれの特徴をまとめてみました。
<天然水とRO水の特徴比較>
天然水 | RO水 | |
処理方法 | ろ過、沈殿、加熱など最低限の処理 | RO膜という微細な膜で水道水や原水をろ過処理 |
味 | ミネラルが豊富でおいしい | ミネラルが除去されるため人工的に加工されている |
用途 | ミネラルウォーター・ウォーターサーバー水など | ウォーターサーバー水・純水(前処理)など |
源水 | 地下水 | 河川水・地下水・水道水 |
硬度 | 源水による(国産は軟水が多く、海外産は硬水が多い) | 軟水(ミネラル成分はほとんど除去される) |
価格 | RO水と比較するとやや高い | 比較的安い |
天然水のメリットとデメリット
◇ メリット
天然水のメリットを3点紹介します。
- 天然のミネラルが摂取できる
天然水にはカルシウムやマグネシウム、カリウム、バナジウムなど天然由来のミネラルが豊富に含まれています。ミネラルは水のおいしさや舌ざわり、のど越しを決めている成分なので、バランスよくミネラルが含まれた天然水が飲用水としておいしい水ということになります。 - 美容や健康に良い
ミネラルは、健康や美容に欠かせない成分でもあります。天然水を毎日飲めば、健康や美容に必要なミネラルを日常的に摂取できます。
<水に含まれるミネラル成分はこちらの記事をチェック>
⇒水のミネラル成分について知っておきたいマメ知識 - いろいろな味が楽しめる
天然水のミネラル含有量は水を採取する地域によって異なります。そのため、好みや気分に合わせて、ミネラルウォーターやウォーターサーバー水を選ぶことができます。
◇ デメリット
天然水のデメリットは、メリットの裏返しにもなりますが、採水地によっては口に合わない可能性があることです。含まれるミネラルの含有量や割合によっては、違和感を覚えたり口に合わなかったりすることがあるかもしれません。その際には、異なる原水の天然水を選べば好みの水が見つかるかもしれません。
RO水のメリット・デメリット
◇ メリット
RO水のメリットを3点紹介します。
- 安全性が高い
RO水の最大のメリットは、安全性の高さです。純粋な水以外はほとんど通さない0.0001ミクロンの超微細孔のフィルターでろ過されているため、RO水は不純物が極めて少ない水です。その安全性の高さから、医療現場にも採用されているほど。
デリケートなケアが必要な赤ちゃんの飲み水やミルクづくり、離乳食への利用などにも最適です。ただし、ミネラルが多く添加されているRO水は赤ちゃんの臓器への負担になることがあるので、注意してください。RO水を選ぶ際に硬度をよくチェックしましょう。 - 値段が安い
RO水は、採水コストが天然水よりも低いため、市販価格が天然水よりも安いケースが一般的です。 - ミネラル成分も摂取できる
市販のRO水の大半は人工的にではあるもののミネラルが後から添加されているため、健康・美容にとって重要な役割を持つミネラルも摂取できます。
◇ デメリット
RO水のデメリットは、以下の通りです。
1. ミネラル成分が添加されていないとおいしくない
ミネラル成分が添加されていないRO水が天然水などに比べておいしくないのはもちろんですが、一般の方々の口コミなどではミネラルが添加されている場合に関しても「天然水のほうがおいしい」「違和感がある」という感想を持つ方が少なからずいます。
ウォーターサーバーが天然水からRO水になったんだけどRO水の受けつけない感がヤバい。天然水の方が美味かったなー。
— 136(੭*ˊ꒳ˋ)੭♡ (@isa136_ex) 2019年2月14日
仕方なくRO水にしただけだし解約検討していく。
2. 「人工的」というマイナスのイメージがある
ろ過後にミネラルをプラスするため、「人工的」という点についてマイナスのイメージを持たれる方もいます。]
RO水ですね。人工的な処理をしてあるから身体に悪いと言ってそう(~_~;)
— conocono (@Hiro_SUDO) 2019年2月13日
3. 原水が水道水の場合もある
RO膜で純水に近い状態にろ過できるため、水道水からRO水が作られている場合もあります。
いやRO水って高度な処理施した水道水だから確かにただの水道水だよって言うかこうやって売ってる理由って何かあった時の備蓄品って事だから意味がないわけでも無いでしょうに( 一一)... https://t.co/N4bMoGEUkn
— 新妻王朗 (@niizuma19641231) 2016年6月18日
まとめ
処理方法の異なる天然水とRO水には、味やメリットなどさまざまな違いがありますが、一概に「どちらが良い」というものではありません。
天然のミネラルのおいしさを求めるなら天然水、価格の安さにこだわるならRO水といった具合に、重視するポイントによって選ぶことで満足度が高まると思います。
また、同じ天然水でも、水源のミネラルバランスによって味やのど越しが異なるので天然水を飲み比べるのもおすすめです。