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【コーヒーと水の関係】水の硬度や温度はコーヒーの味にどう影響する?

2019/12/24

蛇口から出した水道水を沸かして、コーヒーを入れている方も多いはずです。しかし、水の硬度やpH、温度といった条件によって、コーヒーの味が変化することをご存じでしょうか? 今回は、コーヒーの味に深く関わる水の種類や条件、水道水を使うときの注意点について解説します。

コーヒーの味と水の硬度、pHの関係

軟水、硬水といった水の硬度は、抽出されるコーヒーの味に影響します。軟水と硬水とでは、コーヒーの味がどう変わるのでしょうか?

◇ コーヒーは硬度で味が変わる

水の硬度とは、カルシウムイオンやマグネシウムイオンといったミネラル分の量のことで、量が多いと硬水、少ないと軟水に分類されます。WHOによる硬度の分類は、以下の通りです。軟水か硬水を判断するときは、こちらの表の数値と分類を参考にしてください。

硬度の数値の範囲 分類
60度以下 軟水
60~120度以下 中程度の硬水
120~180度以下 硬水
180度以上 非常な硬水

<水の硬度に関する詳しい記事はこちらをチェック>
関連記事:知ってた?軟水・硬水は水の硬度で決まる!それぞれの特徴や味の違い

紅茶や緑茶を入れる場合、硬水よりも軟水が適しています。ミネラル分が少ないと茶葉の成分が抽出されやすくなるので、旨味や渋み、苦みなどのバランスが良いおいしいお茶になります。

一方、コーヒーは緑茶や紅茶とは異なり、軟水・硬水のどちらがいいということはありません。一般的には、軟水で入れたほうがおいしいと言われていますが、硬度が極端に高くなければ硬水でも大丈夫です(硬度60~120度以下の、中程度の硬水がおすすめ)。自分の好みで水を使い分けるといいでしょう。

では、使い分けの参考に、軟水で入れたコーヒーと硬水で入れたコーヒー、それぞれの味の違いをご紹介します。

◇ 軟水で入れたコーヒーは酸味が引き立つマイルドな味

軟水でコーヒーを入れると、クロロゲン酸やカフェイン、タンニンなどの成分がほどよく抽出され、酸味があるコーヒー本来の風味が味わえます。コーヒーの苦みは軟水に溶けにくいので、マイルドでより飲みやすい味になります。

また、アメリカンタイプの浅煎りのコーヒー豆は軟水と相性がよく、豆本来の香りとさっぱりした味わいが楽しめるのが特徴です。

◇ 硬水で入れたコーヒーは苦みが際立つ香ばしい味

硬水はコーヒーの苦み成分が溶けやすいため、軟水と比べると苦みが強いコーヒーになります。苦いコーヒーが好みの方は、硬水を使うといいでしょう。苦みのあるエスプレッソは、硬水との相性が良いですよ。

ただ、硬度が高すぎるとコーヒーの味に大きく影響してしまいます。使うなら、中程度の硬水(硬度60~120以下)がおすすめです。

◇ コーヒーの味や香りに関係するクロロゲン酸について

コーヒー豆に多く含まれるクロロゲン酸はポリフェノールの一種で、コーヒーの独特の褐色や酸味、香りのもとになっています。
ポリフェノールとは抗酸化物質のことで、がんや糖尿病の予防を始めたとした、様々な健康効果があるとされています。

抽出する水の硬度によって、クロロゲン酸の抽出濃度は変わってきます。クロロゲン酸は、軟水で入れたほうが多く抽出されるので、軟水で入れたコーヒーは酸味が引き立つというわけです。

◇ pHもコーヒーの味に影響する

硬度だけでなく、水のpHも、コーヒーの味に関係しています。pHとは、水中の水素イオンを数値化したもので、0~14段階で表します。

  • 7以上:アルカリ性
  • 7:中性
  • 7以下:酸性

<pHについて詳しくは以下の記事をチェック!>
関連記事:その水は何性?水のpHってどんなもの?

コーヒー豆自体は酸性ということもあり、酸性の水を使ったコーヒーは酸味がより強くなります。一方で、アルカリ性の水は酸味を中和するため、酸味が少なくまろやかな味わいに仕上がります。

◇水の不純物について
水にはミネラル以外にも、様々な有機物(細菌など)が存在します。細菌=害というわけでは必ずしもありませんし、水道水でもミネラルウォーターでも、細菌の検出基準値が決められているので安全性は問題ありません。ただ、コーヒーの味に影響を与えてしまう可能性はあります。

通常はそこまで大きな影響はないかもしれませんが、井戸水などは細菌が基準値を超えることもあります。そのような水はコーヒーには不向きだと言えます。

<まとめ:水の硬度、pHによる味わいの違い>
ここまでご紹介した、水の硬度、pHによる味わいの違いを以下にまとめています。自分の好みに合ったコーヒーを入れる際の参考にしてみてください。

軟水 酸味と風味がほどよくマイルド。アメリカンなどと相性がいい
硬水 苦みが強い、香ばしい。苦みのあるエスプレッソと相性がいい
pHが酸性 酸味がより強くなる
pHがアルカリ性 酸味が少なく、まろやかになる
井戸水は細菌が基準値を超えることもあり、コーヒーには不向き

コーヒーの味と水の温度

水の温度も、コーヒーの味を左右する要素の1つです。ここでは、コーヒーをおいしく入れるための最適な温度についてご紹介します。

◇ 温度が高くなればなるほど抽出効果も高くなる

コーヒーの味に大きく関わる成分は、クロロゲン酸やカフェイン、トリゴネリンなどが知られています。これらはおもにコーヒーの酸味や苦みに影響する成分です。
クロロゲン酸はおもに酸味に影響する成分で、浅煎豆に多く含まれていますが、深煎りにすると含有量が減ります。その結果、深煎豆で入れると苦みが強くなります。

上記の成分の抽出効果は、水の温度に比例して高くなります。水は温度が高くなればなるほど、モノを溶かす力(溶解力)が強くなるからです。

水の温度が高ければ高いほど、多くのコーヒー成分が抽出されますが、コーヒー豆の成分が多く抽出されたとしても、味が良くなるわけでは必ずしもありません。

なぜなら、苦味(浅煎り豆の場合は酸味も)の強さが際立ってしまうからです。あまりにも高温で入れたコーヒーは、苦味や酸味が強くなりすぎたり、雑味が出てしまったりと、バランスの悪い味になってしまいます。

おいしいコーヒーの条件とは、甘味、酸味、渋み、苦みのバランスが取れていることです。以下でご紹介する適温の範囲で入れることをおすすめします。

◇ ペーパードリップやインスタントでコーヒーを入れる場合に適した温度は80~90℃前後

インスタントやペーパードリップに適した温度は所説あるのですが、80~90℃前後が適温だと言われています。この温度の範囲を目安にして、自分好みの味になる温度を見つけるといいでしょう。

温度の調節は、温度設定ができる電気ケトルを活用すると便利です。80℃、90℃、100℃といった、ざっくりとした範囲の設定だけでなく、5℃単位で細かく温度設定ができる商品も売られています。

また、ペーパードリップの本体やカップが冷たいと温度が急激に下がるので、道具をあらかじめ温めておくといいでしょう。適温を保てます。

水道水でコーヒーを入れるときの注意点

ペットボトルなどの水は硬度が記されていますが、自宅の水道水の硬度について知らない方も多いかもしれません。水道水を使ってコーヒーを入れている方は、以下の点に注意しましょう。

◇ 日本の水道水の硬度とは?

日本は地形の関係で、ほとんどの地域の水道水が軟水です。

ただし、水道水の原水の種類により、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分の量に差があります。ミネラル分が比較的多いのは地下水で、河川などの表流水やダムはミネラル分が少なめです。どの原水から採水して水道水を供給するかは地域で異なるため、日本の中でも硬度が低い水と高めの水が存在するのです。

硬度が低い地域は北海道や東北地方で、比較的高い地域は関東地方、沖縄です。各地域の硬度は、以下のようになっています。

北海道:29
東北:30
関東:67
中部:38
近畿:42
中国:35
四国:48
九州:47
沖縄:50

※上記の硬度は、最小値と最大値の真ん中に位置する値(中央値)です。

日本が軟水である理由や水道水の硬度など、次の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:ミネラルウォーターと水道水の違いとは?硬度・安全性を徹底比較

◇ 水道水の残留塩素はコーヒーの味に影響する?

細菌を消毒するための残留塩素や、水道管や貯水槽のサビなど、水道水はさまざまな雑味があります。水道水の雑味はコーヒーの味に多少なりとも影響し、コーヒー本来の味を損なうことがあるのです。

水道水の残留塩素は、煮沸や汲み置きで除去できますが、コーヒーを入れるたびにそれらを行うのはかなりの手間。ペットボトルのミネラルウォーターやウォーターサーバーではなく、水道水を使いたい場合、浄水器を取り付けると雑味の除去に効果的です。

また、朝にコーヒーを入れる際は、朝一の水をしばらく流しておくと、給水管のサビなどが排出されて雑味が少ない水になります。

水道水の残留塩素の効果や除去方法は、以下の記事でも詳しく説明しています。
関連記事:水道水に塩素が入っているのはなぜ?除去することは可能なの?

コーヒーの美味しい入れ方

最後に、コーヒーの美味しい入れ方をご紹介します。比較的簡単に入れられる、ペーパードリップ式を例に出して解説しましょう。

<必要な道具>

  • ドリッパー
  • ペーパーフィルター
  • コーヒーサーバー
  •  

ドリッパーは、底の抽出穴が1つのタイプと3つのタイプがあります。1つのタイプはゆっくりと抽出されるのでコーヒー成分が溶け出しやすく、濃い味わいになります。3つのタイプは素早く抽出されるので、あっさりした軽い味わいになります。好みで使い分けましょう。

◇ 美味しいコーヒーを入れる手順

ペーパーフィルターにコーヒーの粉を入れます。量の目安は、以下の通りです。

  • 1杯分:10~12g
  • 2杯分:20g前後
  • 3杯分:25~30g前後
  • 4杯分:35~40g前後

※UCC上島珈琲株式会社がご紹介している目安量を記載しています。好みによって量は調整しても大丈夫です。
出典:コーヒーを淹れる | おいしいコーヒーの淹れ方 | 知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲

では、美味しいコーヒーを入れる手順をご紹介します。

<STEP1. 粉を平らにする>
ペーパーフィルターにコーヒーの粉を入れたら、粉が平らになるようにドリッパーを軽く振ります。平らにすることで、お湯を注いだときの流れが安定するからです。

<STEP2. 粉を蒸らす>
真ん中にゆっくりと、粉に対してお湯が垂直になるように注ぎます。そのまま20秒ほど蒸らします。粉を蒸らすことで、コーヒーの成分を抽出しやすくなるからです。

<STEP3. 3回ほどに分けて、ゆっくりとお湯注ぐ>
真ん中に「の」の字を描くようなイメージで、ゆっくりお湯を注いでいきます。このときも、粉に対してお湯は垂直に注ぎます。一度に大量のお湯を注がずに、3回ほどに分けて少しずつ注ぎましょう。

◇ コーヒーを入れるときのポイント

コーヒーを入れるときは、以下のポイントを意識すると、より美味しく入れられます。

<ポイント1. 器具とマグカップを温めておく>
湯通しなどで、コーヒーサーバーやマグカップを温めておくと、コーヒーが冷めにくくなります。

<ポイント2. 注ぐお湯の量はコーヒーサーバーの目盛りを参考に>
注ぐお湯の量を正確に量るなら、はかりを活用するのも良いでしょう。より手軽な方法では、コーヒーサーバーの目盛りを参考にすることもできます。多くのコーヒーサーバーでは、「1杯分」「2杯分」といった量の目盛りが記載されているので、その目盛りを参考に注ぎましょう。

<ポイント3. コーヒーポットは注ぎ口が細いタイプを選ぶ>

コーヒーポットは、注ぎ口が細いタイプのほうが注ぐ量をコントロールしやすいので、おすすめです。

水の種類や温度を試して、自分好みのコーヒーを!

水の硬度は、コーヒーの味に大きく影響します。軟水は苦みが控えめで酸味のある味になり、硬水は香ばしさや苦みが強い味になるのが特徴です。

また、水のpHと温度でも味が変わるので、水の種類や温度をいろいろと試してみて、自分好みの味を見つけてみましょう。

参照元

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