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天然水とはどんな水?ミネラルウォーターとの違いや安全性

2019/10/30

天然水は、自然から湧き出る水というイメージが強いですよね。しかし、天然水とは具体的にどんな水で、ミネラルウォーターと何が違うのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか?今回は、天然水の定義とミネラルウォーターの違い、気になる安全性について詳しく解説します。

天然水とはどんな水?

天然水とは、具体的にどのような水なのでしょうか?天然水の定義と、ミネラルウォーターとの違いについて見ていきましょう。

◇天然水の定義とは?
天然水とは、特定の水源から採水した地下水を原水とする水のことです。

農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」において、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理をしていない水は「ナチュラルウォーター」と呼ばれます。

よく似た「ナチュラルミネラルウォーター」は、ナチュラルウォーターの一部です。ナチュラルウォーターのうち、地層中のミネラルが溶け込んでいる地下水を原水としているものはナチュラルミネラルウォーターと呼ばれます。

天然水という呼び方が使えるのは、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターの2つだけです。

◇天然水の水源となる地下水の種類
天然水の定義にある地下水の「特定の水源」とは、以下の7種類です。

  1. 浅井戸水…地下水が湧き出る第一層目の、浅い位置にある水源
  2. 深井戸水…第一層目より深い第二層目を水源とする水で、地上から遠いため安全性が高くミネラル分も多い
  3. 湧水…崖の下や丘の谷間から自然に湧き出る地下水
  4. 鉱泉水…水温25℃未満で自噴する地下水。ミネラル分で種類が分けられる
  5. 鉱水…自噴しない地下水で、ポンプから採水する。ミネラル分で種類が分けられる
  6. 伏流水…川床の下に浸透して流れる水。砂層などでろ過されるので水質が良い
  7. 温泉水…水温25℃以上で自噴する地下水。ミネラル分で種類が分けられる

このように、地下水は水源によって、深さや自噴の有無、温度、含まれるミネラル分が異なります。

◇ミネラルウォーターとの違い
ミネラルウォーターとは、上記のいずれかの水源から採水した天然水を原水とし、品質の安定のためにミネラル分などを加工・調整したものです。複数水源のナチュラルミネラルウォーターの混合や、水を空気にさらして浄水するばっ気、殺菌処理などを行います。

つまり、天然水とミネラルウォーターの違いとは、「ろ過や殺菌処理以外の処理をしない」のが天然水、「殺菌処理のほかにミネラル分の加工や調整などを行う」のがミネラルウォーターとなります。

<ミネラルウォーター類の違いや代表的な採水地は、以下の記事をチェック>
関連記事:ミネラルウォーターと水道水の違いとは?硬度・安全性を徹底比較

天然水の気になる安全性

天然水は主に地下水から採水されるため、安全性に問題がないか、気になる方も多いはずです。天然水を安全に飲むために、以下のポイントに注意しましょう。

◇市販の国内産天然水は安全性が高い
ペットボトルやウォーターサーバーになっている国内産の天然水は、採水後にろ過殺菌や加熱殺菌、オゾン殺菌、紫外線殺菌などを行います。加熱殺菌では、中心部の温度を85℃以上で30分間加熱するのが基準です。ミネラルウォーター類に定められた成分規格による水質検査も行っているので、安全に飲むことができます。

ただし、ヨーロッパの天然水は、採水してそのまま容器に詰め、一切の殺菌処理をしていません。原水本来の成分を変化させることがヨーロッパで禁止されているためです。殺菌処理をしない代わりに、ヨーロッパでは水源の環境基準が厳格に決められおり、それによって水源の汚染を防止しています。

◇自然の湧き水は飲用に適さない場合も
山間部が多い都道府県では、名水と称される湧き水が流れている場所を見たことがあるでしょう。地域住民や観光客に飲用されている湧き水ですが、水道法の適用外となっているうえに、水質検査が行われていない可能性があります。

また、湧き水は周辺地域や上流部の影響を受けやすく、水が汚染されるリスクがあります。野生動物による大腸菌の汚染、不法投棄による有害物質の汚染、地質由来の元素の汚染など、飲用に適さない場合もあるので注意しましょう。

◇塩素処理をしていないので日持ちしない
天然水は加熱殺菌などの処理をしていますが、水道水のように塩素処理をしていません。封を開けて口を付けたペットボトルは雑菌が繁殖しやすく、日持ちしないので早めに飲み切りましょう。

ちなみに、塩素処理をした水道水に含まれる「残留塩素」は、細菌の繁殖を抑えたり、病原性の菌の感染力を失わせたりする効果があります。独特のカルキ臭の原因でもありますが、このおかげで、水の安全性を保つことができるのです。

<残留塩素について詳しくは以下の記事をチェック>
関連記事:水道水に塩素が入っているのはなぜ?除去することは可能なの?

まとめ

天然水は、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターのことです。天然水はろ過や殺菌処理以外の処理をしない水で、ミネラルウォーターは殺菌処理以外にミネラル分の加工を行うのが大きな違いです。日本で生産されている市販の天然水は殺菌処理がキチンと施されているため、安全性は高いと言えます。ただし、水道水と違い残留塩素が含まれていないので、開封後は保存がききません。一度開封したら早めに飲み切りましょう。