水との新しい付き合い方をご紹介

水とライフスタイル

おいしい水の定義とは?ほとんどの方が知らない知識を大公開

2019/12/26

ほとんどの方が知らない、「おいしい水の定義」についてご説明します。普段何気なく飲んでいる水ですが、一体おいしい水の定義とはどういったものなのでしょうか。ここでは、「おいしい水が飲みたい」人のために、おいしい水の条件や水をおいしく飲むためのコツを紹介します。安全でおいしい水を選ぶための知識を身につけていきましょう。

何が水のおいしさを決めるのか?

日本の水道水は厳しい水質基準によって管理されているため、いつでも安心して飲むことができます。しかし近年では、ミネラルウォーターやウォーターサーバーなど、水道水以外の水を選ぶ人が増えてきたことから、水に関する人々の意識が高まってきています。水は毎日の生活に欠かせないものですが、おいしさはどのように決まるのでしょうか。
   
水は単純に純水であればおいしいとは言えず、「成分のバランス」と「飲む際の条件」がおいしさを左右するといわれています。そもそも水にはほとんど味がなく、味を感じるのはミネラルなどが溶け込んでいるためです。湧き水がおいしいと感じられるのも、長い年月をかけてろ過される水に、適度なミネラルが溶けこんでいるから。つまり、ミネラルは水をおいしくする上で欠かせない重要なポイントとなります。

一般的に、おいしい水とは「ミネラル・硬度・炭酸ガス・酸素を適度に含んだ冷たい水」とされていますが、そんな水のおいしさを解明しようと厚生労働省が発足させたのが「おいしい水研究会」です。「おいしい水研究会」は日本の水道水の現状と背景について調査を行うとともに、水のおいしさや水質要件について研究・発表を行っています。以下では、「おいしい水研究会」が掲げる「おいしい水の水質要件」を見ていきましょう。

「おいしい水研究会」は、まず、日本国内の水質実態を調査し、水のおいしさを決める以下の7要素を抽出しました。

水質項目 数値 項目の概要・水のおいしさへの影響
蒸発残留物 30~200mg/L 水に含まれる無機塩類(ミネラル)の総量を表し、数値が大きくなるほど水の苦味、渋味、塩味が増す
硬度 10~100mg/L 水に含まれるカルシウムやマグネシウムを炭酸カルシウムの量に換算した値をいい、適度に含むことで水のおいしさを保つ(少なすぎても多すぎてもおいしさを損なう)
遊離炭酸 3~30mg/L 水に含まれる炭酸ガスをいい、数値が大きいほど水の清涼感が増すが、大きすぎるとまろやかさが減る
過マンガン酸
カリウム消費量
3mg/L以下 過マンガン酸カリウム消費量の数値が大きい水ほど渋味のもととなる有機物が多い。
過マンガン酸カリウム消費量が多い場合、塩素消費量も大きくなりやすく、水の味を損ねやすい
臭気強度 3以下 水質汚濁や水の処理過程で発生する水の臭い(土臭、生ぐさ臭、腐敗臭など)をいい、数値が大きいほど水の味を悪くする
残留塩素 0.4mg/L以下 水道水中に残留する塩素量をいい、数値が大きくなるほどカルキ臭が増す
水温 最高20℃以下 他の項目で水のおいしさが損なわれることがあっても、水温を適度に低く保つことで水をおいしく飲むことができる

さらに「おいしい水研究会」は、各地で行われた利き水試験の結果や、アンケートの結果をもとに、7項目の数値が上記範囲内に入っている水を、おいしい水と整理しました。

上表から、水質や水温など多くの要素をバランスよく保った水を「おいしい水」と呼べることがわかります。しかし、味やおいしさの感じ方には個人差もあることから、一般的なおいしさを考えるのであれば、「大勢の人が飲んでまずいと感じることのない水」が、おいしい水と呼べるのかもしれません。臭気や残留塩素が少ない水はまずさを感じにくいため、多くの人がおいしく飲めるのではないでしょうか。

おいしい水の特徴

飲んだ際に「おいしい」と感じられる水には、以下のような特徴があります。

  • 適度な飲みごたえがある
  • 口当たりや喉越しが良くすっきりした後味
  • ミネラルのバランスがちょうど良い
  • 炭酸ガスや酸素による清涼感がある
  • カルキ臭などの嫌な臭いがしない

水のおいしさを決定する要素は多く、ひとつでも欠けてしまうとおいしいとは感じにくくなってしまいます。ただし、前述のようにおいしさの感じ方は人によって異なるため、「一番おいしい水はこれ」と言いきることはできません。自分にとっておいしい水を見つけるには、「おいしい水の水質要件」をチェックすることが大切です。

水の水質を簡単にチェックする方法ですが、市販のペットボトルの水であれば、ラベルやメーカーのWebサイトから含有ミネラルや硬度などを確認できる場合があります。より詳しい情報を知るなら、メーカーのお客様センターに問い合わせてみても良いでしょう。

◇ 硬度と水のおいしさの関係

たとえば、「おいしい水の水質要件」によると、おいしい水の「硬度」は1L当たり10~100mgです。硬度はカルシウムやマグネシウムなどのミネラル含有量も示しており、硬度の低い水は癖がなくあっさりした飲み口になることが特徴です。また、硬度が高い水は舌触りやコクなどの癖が強くなるため、人によって好き嫌いが出やすい水といえるでしょう。

以下では、水のおいしさに関わるミネラルの種類をまとめています。これらのミネラルがバランス良く含まれていると、飲みごたえや口当たりが良くなり、おいしい水に近づきます。

<プラスに働く物質>

物質 性質
カルシウム 水に含まれるミネラルの一種で、水にこくやまろやかさをプラスする(多いと苦味、渋味、塩味につながる)
カリウム
二酸化炭素 炭酸イオンとも呼ばれ、水にさわやかさをプラスする(多くなると刺激を感じる)
溶存酸素 水に含まれる酸素をいい、清涼感をプラスする

<マイナスに働く物質>

物質 性質
マグネシウム 水に含まれるミネラルの一種で、カルシウムより多いと苦味が増す
硫酸イオン(硫化水素) 自然界に存在する物質で、含有量が多いと渋味や舌への刺激を感じる
マンガン 自然界に存在する物質で、含有量が多いと金気臭や渋味を感じる
亜鉛

◇ 残留塩素と水の味の関係

このほか、天然水には基本的にありませんが、残留塩素が少ないことも大事です。水は無臭が良いとされており、臭いがついた水はとてもおいしいとは感じられません。残留塩素があることで細菌などから水を守ることができますが、含有量が多くなるとおいしさが損なわれます。「水道水はカルキ臭が強くて飲めない」という人もいるかもしれませんが、残留塩素は1L当たり0.4mg以下であればおいしく飲めるとされています。

残留塩素の濃度を調べるキットも販売されていますので、試してみるのも良いでしょう。普段飲んでいる水がおいしく感じられないようであれば、何が原因でおいしく感じられないのかを、キットを使用して調べたり、水の成分表を確認したりすることもおすすめです。

最もおいしい水温とは?

水を飲む際の条件も、水のおいしさを左右する大切なポイントです。なかでも「水温」は、「おいしい水研究会」が定めた7要素の一つであり、水のおいしさに大きく影響します。水の味にあまりこだわっていなくても「水はとにかくキンキンに冷えていないとダメ」という人も多いでしょう。水は水温が低下すると水道水のカルキ臭が抑えられ、清涼感が増すことから、一般的には冷やすとよりおいしく飲めるようになります。

「おいしい水の水質要件」によると、水の最もおいしい水温は20℃以下です。体調や外気温によりおいしさの感じ方は異なりますが、10℃~15℃(夏場は10℃~20℃)を目安にできると、最もおいしい条件で水を味わうことができるでしょう。

水温による味の感じ方の違いについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:水をおいしく飲める温度とは?

ちなみに、東京都の蛇口を捻って出る水温の年間平均(※)は18℃程度で、そのままでもおいしく飲める温度です。しかし、水道水の温度は季節による変動が大きく、夏場(7~8月)は水温が25℃以上、冬場(1~2月)は10℃以下まで下がることもあります。水道管の敷設状況によっても水温は大きく変わってしまうため、日ごろから水道水を飲む方はこういった水温の変化も意識しておくと良いでしょう。
※平成30年度、水道水の水温(都庁付近)のデータより

まとめ

おいしい水とは、味へプラスに働く物質をバランス良く含み、臭気などのまずさを感じにくい水をいいます。おいしいと感じる基準は人それぞれなので、水質や成分をチェックしながら自分好みの水を追求してみるのも良いかもしれません。

水に含まれる物質や成分のチェックは水の安全を確認することにもつながるため、安心しておいしく飲める水に出会うきっかけとなるでしょう。また、水は美容や健康の維持にも欠かせないので、飲みやすい水温を意識するなどの工夫を取り入れて、安心して飲み続けられるものを選んでいきたいですね。

参照元