水とライフスタイル
カフェインの効果とは?妊娠中の女性や子どもへの影響、最大摂取量も調査
2020/10/02この記事では、カフェインの効果や安全性が気になる方のために、カフェインの特徴や一般的な飲み物における含有量などをご紹介します。 妊娠中の女性や子どもに想定される影響なども詳しく解説するので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
カフェインとは?
カフェインとは、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉、カカオ豆などに含まれる、天然の食品成分の一種です。抽出されたカフェイン成分は、苦味料の食品添加物や医薬品として使われています。
一日あたりのカフェイン摂取量の目安や主要摂取源は、国や食生活によって異なります。ちなみに、カフェインのなかで突出した摂取源だとされているのは、コーヒーとお茶です。
◇ 一般的な飲み物におけるカフェインの含有量
日本国内でカフェインを多く含む食品は、嗜好品として日常的に飲まれるコーヒーやお茶、清涼飲料水などが中心です。これらの飲み物におけるカフェイン含有量は、以下のとおりです。
※いずれも、100mlあたりの含有量です。
- コーヒー:60mg
- 顆粒のインスタントコーヒー:57mg
- 玉露:160mg
- 緑茶:30mg
- 煎茶:20mg
- 烏龍茶:20mg
- コーラ飲料:10~13mg
- エナジードリンクまたは眠気覚まし飲料(清涼飲料水):32~300mg
(製品1本あたりでは、36~150mg)
カフェインの効果
カフェインには、以下のようにたくさんの作用や効果があります。
◇ 覚醒作用
カフェインの効果で代表的なのは、中枢神経系の興奮で脳が目覚める覚醒作用です。この働きによって実感できる効果には、以下のようなものがあります。
- 眠気や倦怠感の解消
- 気分転換
- リフレッシュ
- 疲労回復
- パフォーマンス向上 など
◇ 血管の拡張や収縮の作用
血管を拡張もしくは収縮させる作用も注目されています。
例えば、カフェイン摂取によって腎臓に血管拡張が生じると、摂取後3~5時間は尿の排泄が促されやすくなります。このことを、利尿作用※と呼びます。
一方、カフェインは脳の血管を収縮させる働きもあります。脳の血管が広がってズキンズキンと痛む偏頭痛が生じている場合、カフェイン摂取によって症状が抑えられることもあります。
※コーヒーやお茶など、カフェインを含む飲料には利尿作用があるので、普段の水分補給には適していません。水分補給にはスポーツドリンク(飲み過ぎは注意)や水が、安全な飲料として適しています
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◇ 基礎代謝を上げる作用
カフェインには、基礎代謝アップや脂肪の遊離・燃焼を促す効果もあります。これは、カフェインがダイエット中の人から注目される理由のひとつでもあります。
カフェイン摂取によって交感神経系が興奮すると、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌が促され、その結果として内臓脂肪の分解が進むのではないかと考えられています。
脂肪への作用にはもちろん個人差がありますが、海外での研究では、コーヒー約3倍で基礎代謝が約12%も増加したというデータもあります。
また、カフェインが多く含まれるコーヒーを飲んでから運動したほうが、白湯などを飲んだときと比べて中性脂肪が分解されやすくなることもわかっています。
ただし、カフェインで体重を減らせる効果は限定的です。そのため、ダイエット目的でカフェインを摂取する方は、注意をしてください。
ちなみにカフェインには、このほかにも胃酸分泌促進や血圧上昇などの効果があることがわかっています。
カフェインによる体への影響と最大摂取量、注意点
カフェインは、摂取方法を誤ると健康を害するリスクがあります。
ただし、カフェインの副作用に関する見解や最大摂取量については、国によって大きな違いがあります。ここでは、一般の大人と妊娠中の女性、子どもの属性に分けて、カフェインの危険性などを見ていきましょう。
◇ 一般の大人におけるカフェインのリスクと副作用
まず、一般の大人がカフェイン摂取を繰り返した場合、成分に慣れた身体が反応しにくくなるカフェイン耐性がつくことがあります。これは一般的に、カフェイン依存症と呼ばれています。
この時点でカフェイン摂取をやめた場合、以下のような離脱症状が現れます。
- 眠気
- 神経過敏
- 頭痛
- 便秘
- うつ
- 嘔吐
- 悪心
- 不安
- 集中力の低下 など
欧州食品安全機関(EFSA)やカナダ保健省などでは、健康な成人による一日400mg未満のカフェイン摂取であれば、体への影響はあまりないと考えています。ただしこれも、国によって基準は異なります。
ちなみに、慢性・急性の中毒になる可能性の目安は、一日500mg以上の摂取です。この量は、コーヒー紅茶なら10杯以上、緑茶は15杯以上となります。
◇ 妊娠している女性におけるカフェインのリスクと副作用
カフェインによる妊婦への影響も、世界の研究機関や国によって見解が大きく異なります。世界各国では、妊婦のカフェイン摂取によって以下のような問題が生じる可能性があるとしています。
- 胎児の発育の阻害
- 出生児の低体重
- 早産または死産
- 出生児における将来の健康リスク大 など
世界保健機関(WHO)では、妊娠中の母親は血液からのカフェイン消失が著しく遅くなるため、これらのリスクが高まると考えています。そして、胎児への影響はまだ確定していないものの、世界保健機関による見解では、コーヒーの場合一日3~4杯にするべきとされています。
◇ 子どもにおけるカフェインのリスクと副作用<
子どもも世界的には、妊婦と同様にカフェインによる有害作用を受けるリスクが高いとされています。ただし、欧州などでは、子どもに関する長期的かつ習慣的なカフェイン摂取に関する研究事例が少なく、不確実性があるとの見解も出てきています。
そのため、ここでは子どもにおけるカフェインの最大摂取量を最も細かく設定するカナダ保健省の基準を紹介しておきましょう。
- 4~6歳の場合:45mg/日(500mlのコーラ約0.69本)
- 7~9歳の場合:62.5mg/日(500mlのコーラ約0.96本)
- 10~12歳の場合:85mg/日(500mlコーラ約1.3本)
※コーラの本数計算は「フィンランド食品安全局(EVIRA)の基準=コーラ飲料1本(約500ml):約65mgのカフェインを含有」にカナダ保健省の子どもの最大摂取量を当てはめて計算しています。
こうした世界各国の研究結果に目を向けると、妊婦や子どもの場合、同成分が含まれるチョコレートを含め、カフェインの大量摂取は避けたほうが安全です。
まとめ
コーヒーや茶葉に含まれるカフェインには、以下のように非常に多彩な効果があります。
- 覚醒作用
- 血管収縮の作用
- 基礎代謝を上げる作用
- 胃酸分泌促進作用
- 血圧上昇作用 など
カフェインには、飲み方や飲む量を誤った場合、耐性による依存症や中毒のリスクがあります。特に妊娠中の女性や子どもに対しては、世界保健機関(WHO)を中心とするさまざまな国や研究機関で、副作用などのリスクや最大摂取量などの見解を発表しています。
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