水とライフスタイル
寝る前の水分補給ルール!飲みすぎや何時間前に飲むべきかなども徹底解説
2020/10/25「健康のために、寝る前に水を飲んだほうがいい」 就寝前の水分摂取の重要性について、聞いたことがある人も多いでしょう。 しかし、「なぜ寝る前の水分補給が必要なのか?」という理由や、細かな水分摂取タイミング(寝る何時間前に飲めばいいのか)を知る人は少ないかもしれません。 そこでこの記事では、寝る前に水を飲むべき理由や、理想的な水分補給ルールを詳しく解説していきます。
寝る前に水分補給が必要な理由とは?
人間が深い眠りにつくためには、体の内部の温度である「深部体温」が下がっていく勾配を急にすることが重要です。
深部体温の低下はメラトニンホルモンの分泌を促し、眠気を高めやすくします。そして、約0.4度の低下によって深いノンレム睡眠に入っていけると考えられています。
人は自覚の有無にかかわらず、必ず就寝中に汗をかきます。就寝時の生理的発汗は、体から熱を逃すことによって深部体温を下げ、良質な眠りを促しているのです。水分が足りないと発汗による体温調節がうまくいかず、睡眠の質が低下しやすくなります。
ちなみに、就寝から90分ぐらい前の入浴が推奨されているのも、体温が大きく下がるまでに約90分かかるためです。
◇ 寝ている間に汗で失われる水分量とは?
睡眠中に汗と呼気から失われる水分は、約500ml以上、多いときには1リットルほどです。
体重の1~2%の水分減少で、すでに軽い脱水は始まります。
夜間熱中症や脳梗塞といったリスクが高まるので、就寝中の健康を守るためにも、寝る前の水分補給は大切です。
美容や健康維持にも役立つ寝る前の水分補給
寝る前の水分補給は、以下のように健康維持や美容面でも多くのメリットがあります。
◇ 心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが減る
体内の水分量が減少し脱水が進んだ場合、粘度が高いドロドロの血液状態になる可能性が高まります。ドロドロの血液によって血管が詰まると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが上がってしまいます。
ちなみに朝は、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすい時間帯です。これらの病気を予防するためにも、就寝前後の水分補給が非常に大切になります。
◇ 肌のうるおいが保たれる
就寝中に起こるかくれ脱水は、本人も気付かない特徴があります。そして、体内の水分不足を放置し続けると、以下のように、美肌の大敵ともいえる問題が出やすくなります。
- くすみやすくなる
- シワや毛穴が目立つ
- 潤いとハリが失われる など
就寝前の水分補給は、肌のうるおいを保つためにも欠かせません。
◇ 日中の集中力が高まりやすくなる
かくれ脱水が生じると、以下のような症状も出やすくなります。
- 日中の強い眠気
- 集中力の低下
- 頭痛 など
また、重い脱水症状は、精神面にも支障をきたすことがあります。そのため、日中の仕事や勉強を効率よく行なうためにも、寝る前の水分補給で脱水症状を防ぐ必要があります。
寝る前の水分補給!おすすめの水の飲み方とは?
おすすめなのは、就寝前後にコップ1杯(150ml~250ml)の水を飲む方法です。
人間が一日に摂取すべき水分量は2.5リットル程度です。そして、そのうち飲み水は1.2リットル程度と言われています。水分補給による健康効果を高めるには、睡眠の前後だけでなく、朝昼晩の食事中や入浴前後、運動後の8回程度をこまめに飲むのが理想的です。
◇ 寝る前の水は何時間前に飲んだらいい?
深部体温を下げるには、就寝90分前に入浴するのが理想なので、その前後で水を飲むことをおすすめします。
就寝90分前に入浴する場合、入浴前後でそれぞれ1杯、就寝前に1杯という流れになります。結果的には、1時間半で3杯を飲むという計算です。
夜間のトイレが心配な場合、寝る1時間前までには水分補給を済ませましょう。
◇ 寝る前の水は飲みすぎても大丈夫?
短時間に大量の水を摂取した場合、尿の処理能力低下によって希釈性低ナトリウム血症という状態になります。医療従事者などはこれを水中毒と呼んでいます。軽症の水中毒で起こる症状には、以下のようなものがあります。
- 頭痛
- めまい
- 頻尿
- 疲労感
- 下痢
- 浮腫 など
飲みすぎの基準は、体格や環境によって個人差があります。ただ一般的には、1時間ほどの短時間で、1リットル近くの水をがぶ飲みするのはNGと考えられています。
水分補給の鉄則は「こまめに飲むこと」です。
まとめ
深く質のいい眠りにつくには、深部体温を下げることが大切です。就寝中の発汗は深部体温を下げる働きがあるので、睡眠前には汗の材料である水分を摂取することをおすすめします。
水分が足りないと脱水症状にもなりやすいので、健康を守るためにも、寝る前の水分補給は欠かせません。就寝前後にコップ1杯(150ml~250ml)の水を飲む習慣をつけましょう。
もちろん就寝前後だけでなく、1日のなかでこまめに水を飲むことが、健康と美容にとって非常に大切です。毎日の暮らしのなかでおいしい天然水を手軽に、かつこまめに飲むには、ウォーターサーバーが便利です。ぜひウォーターサーバーの導入を検討してみてください。
参照元
- J-STAGE|生理心理学と精神生理学|ヒトの生体リズムを考慮した快眠技術
- 一般社団法人 日本看護学校協議会共済会|第3回 睡眠の基礎知識~その2
- 日本医事新報社|暖かい布団に入っていると眠くなるのはなぜか?【手足の表面温度が上がって熱放散が起き,深部体温が下がるため】
- Yahoo!ニュース|夏本番を迎える前に知っておきたい、よい寝汗と悪い寝汗
- 東洋経済オンライン|「寝不足に悩む人」が知らない眠り方の新常識
- 西川株式会社|夜こそ気をつけたい!「睡眠中の熱中症」とその対策
- 安心介護|高齢者の脱水症状に注意|原因を知って正しい予防を
- 特選街web|【コップ1杯】寝る前の「水飲み」が朝の脳卒中と心筋梗塞の予防に効果的 アルカリ性の軟水がベスト
- 沢井製薬|冬こそ注意しよう! その不調、かくれ脱水かも!?
- つばさ薬局|つばさだよりNo.296「脱水の症状と対策」
- 株式会社ヤクルト|健康雑誌「ヘルシスト」(220号)より|のどが渇く前に飲む! 正しい水分補給の方法
- EPARK|水中毒を起こす5つの原因と対策方法!どれくらい飲んだら危険?