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水道水を赤ちゃんの離乳食の調理に使っても大丈夫?安全性の3つのポイント

2019/08/01

赤ちゃんの離乳食を作る際の水の安全性について、意識されたことはありますか? 煮汁や炊飯、食材を洗う際など水は料理に不可欠ですが、デリケートな体の赤ちゃんだからこそ、本当に安全な水を使用したいものですよね。 そこで今回は、水道水を離乳食に使用する際の3つのポイントについて解説します。

赤ちゃんの離乳食に水道水は使える?

赤ちゃんの離乳食に水道水を使えるか否かについて、厚生労働省などの機関から明確なガイドラインが発表されているわけではありませんが、一般的には「離乳食に水道水を使用しても問題ない」と認識されています。根拠となるのは、以下の2つのポイントです。

  1. 離乳食よりも前段階の粉ミルクの調乳に使用する水として、
    粉ミルクメーカーは湯冷ましをした水道水の利用を前提としていること
    一般社団法人日本乳業協会
  2. 日本の水道水は、水道法に基づいて厚生労働省令で定められた
    51項目の水道水質基準に合格したものしか使用されていないこと

しかし、水道水が赤ちゃんにとって本当に安全か否かについては個別に検証をすべきです。
使用する水が離乳食に適しているか否かを判断するための項目は以下の3点です。

≒    硬水か軟水か
≒    有害物質・放射性物質の含有量
≒    水道管の衛生面や安全性

以下の章で1点ずつ検証していきます。

ポイント①赤ちゃんの離乳食には軟水を使用すべき

水の硬度とは、ミネラル(マグネシウム・カルシウム)の含有量を指します。含有量が多いものが硬水、少ないものが軟水ですが、赤ちゃんの離乳食には軟水を使用すべきです。

赤ちゃんは消化器官が未熟なため、消化不良を招いてしまったり、腎臓に負担がかかってしまったりします。腎臓に過度に負担がかかると腎臓を悪くしてしまい、むくみや貧血などの症状が現れやすくなってしまうことがあります。

日本の水道水は、地域によって硬度が異なりますが、ほぼ軟水なので硬度としては問題ありません。クリタック株式会社が発表している「全国水質マップ」で硬度の確認ができるので、ご自身の地域について確認してみてください。

なお、ミネラルウォーターを利用する場合、国産のミネラルウォーターの大半は軟水ですが、外国産のミネラルウォーターは硬度100を超える硬水が多いので注意しましょう。

水道水の硬度に関する結論としては、大半の地域では赤ちゃんの離乳食に使用しても問題ないレベルであるといえます。

ポイント②有害物質・放射性物質の有無

摂取した場合に健康被害が生じる可能性がある物質については、厚生労働省の定める「水道水質基準」に基づいて、安全に飲める基準値が決められています。一例を挙げると、以下のような物質の検査が義務付けられています。

一般細菌:1mlの検水で形成される集落数が100以下
細菌が多い水は病原菌や汚水を含んでいる可能性があり、腹痛や感染症のリスクにつながります。サルモネラやロタウイルスのような細菌は赤ちゃんに特に感染しやすいとされています。

大腸菌:検出されないこと
大腸菌が含まれた水は糞便による汚染を受けた可能性が考えられ、赤ちゃんに下痢などを引き起こす可能性が考えられます。

カドミウム及びその化合物:カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下
カドミウムは過去にイタイイタイ病を引き起こしたことがあります。また、腎障害を引き起こす可能性もあります。

水銀及びその化合物:水銀の量に関して、0.0005mg/L以下
赤ちゃんの場合、水銀の摂取が中枢神経系へ悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。水銀には、有機水銀と無機水銀がありますが、有機水銀の一種である「メチル水銀」は水俣病の原因となった物質として知られています。

ヒ素及びその化合物:ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下
飲料水からの摂取と、皮膚・膀胱・肺の発がん性との関係性があることがわかっています。また、ヒ素の汚染された粉ミルクの摂取で下痢、発熱、嘔吐といった症状が出ることも報告されています。

硝酸態窒素:10mg/L以下
1956年のアメリカで、離乳食のホウレンソウに硝酸態窒素が多量に含まれており、278名に中毒症状が発生、そのうち39名の乳児が死亡するという事例があります。
体内に入った硝酸態窒素が胃の中で亜硝酸塩に変化し、ヘモグロビンと結合して酸素を運ぶことができなくなってしまうためです。赤ちゃんの体が酸欠状態で青くなってしまったことから「ブルーベビー事件」と呼ばれています。

総トリハロメタン:0.1mg/L以下
発がん性物質であるといわれています。

出典:水質基準項目と基準値(51項目) 厚生労働省

日本の水道水の基準は非常に厳しいです。上記の基準値内であれば安全に飲めるため、離乳食の調理に使用しても問題はないでしょう。

また、有害物質の他に気になるのが放射性物質です。2011年の東日本大震災の際には、一部地域で水道水の摂取制限が出されたこともありました。

放射性ヨウ素、放射性セシウムなどの放射性物質は発がん率に影響するのは事実ですし、赤ちゃんは放射線の影響を大人よりも受けやすいです。特に、放射性ヨウ素の被ばくによる甲状腺ガンの増加が心配されますが、2019年現在は主要放射性物質(放射性ヨウ素、放射性セシウム)が検出されていません。また、母子衛生研究会によれば、放射性物質が乳児の摂取制限を超える値の水道水についても、離乳食の調理に使用する程度であれば問題ないとされています。

これらのことから、放射性物質について強く心配する必要はないと考えられます。

ポイント③水道管の衛生面や安全面

鉛、アスベスト(石綿)といった、水道管の建材による健康被害を心配される方もいるかもしれません。

◇ 鉛(基準値0.01mg/L以下)

鉛は、脳細胞の破壊や脳神経細胞間の不形成により子どもに知能障害や行動障害を引き起こすことが知られています。

アメリカでは飲料水における鉛汚染問題が話題になったことがありましたが(鉛・銅規則改正白書(USEPA)について)、鉛管からの抽出などによる鉛の混入量について、日本の水質基準では0.01mg/Lなら健康に影響がないとされています。鉛の混入リスクを低減するために、日本国内でも鉛水道管の撤廃が推進されているところです。

◇ アスベスト

アスベストの吸引は、石綿肺や肺がんなどの健康リスクが懸念されています。しかし、厚生労働省は、水道水中のアスベストに関しては健康に影響が出るレベルではないとして、水質基準値を定めてはいません。WHO(世界保健機関)も、健康への影響は少ないとしてガイドライン値を設定していません。

  1. アスベストを水道水中から経口摂取したときの毒性は、吸引に比べれば極めて小さいこと
  2. そもそも水道水中のアスベストは微量であること

この2点が、基準値やガイドライン値が定められていない理由でしょう。

それに加えて、石綿セメント管は取り替え作業が進んで減少しています。昭和55年時点では、水道管全体における石綿セメント管の割合は25.5%もありましたが、その後配管取り替えが進められ、平成15年時点では3.2%まで減少しています。今後、健康への影響はより少なくなると言えるでしょう。

水道管以外では、マンションなどの集合住宅の場合、貯水槽の管理が不十分だと、藻が発生して生臭さを感じることがあります。このような場合は健康リスクが懸念されるので、早急にマンションの管理会社に連絡をしてください。

関連記事:水道水が臭いと感じるときがあるのはなぜ?その対処方法とは?

まとめ

水道水の硬度、有害物質・放射性物質の含有、水道管の衛生面・安全面という3つの観点から、離乳食づくりにおける水道水の安全性について解説しました。

水道水は厚生労働省の定める水質基準項目に関して基準値内の水が使用されており、放射性物質に関しても検出されていない状況です。離乳食作りにも安心して使用できます。

離乳食の調理の際には水を沸騰させることが多いので(おかゆなど)、調理過程で残留塩素や発がん性物質のトリハロメタンも自然に除去されます。沸騰させる時間によって除去率も変わるので、より詳しく知りたい方は以下の記事をぜひ参考にしてください。

関連記事:水道水は沸騰させて塩素抜きを行うと安全に飲める!煮沸の方法や注意点

参照元

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