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水とライフスタイル

猫に水道水を飲ませても大丈夫?安全な水を飲ませたい

2019/10/09

水は、どんな生き物にとっても生命活動に欠かせない大切なものです。もちろん、猫にとっても大切であることは言うまでもありません。水分補給がきちんとできていないと、健康に影響が出てしまうのは人間と同じです。 ところで、猫に普通の水道水を与えてもいいのでしょうか?それとも市販のミネラルウォーターのほうがいいのでしょうか? 今回は、「猫に水道水を飲ませても大丈夫?」という疑問にお答えします。また、記事の後半では、水分不足が原因で起こる猫の病気リスクと、しっかり水を飲ませる方法もご紹介します。

猫に水道水を飲ませても大丈夫?

◇水道水を飲ませても大丈夫!
猫に与える水の条件は、まずミネラルの少ない「軟水であること」。詳しくは後述しますが、ミネラル分が多い「硬水」は尿路結石などの病気につながることが多いからです。

もう一つの条件は、「雑菌が繁殖しにくいこと」。きちんと消毒された水であることは、猫にとっても不可欠。ペットの水はどうしても出しっぱなしにすることも多いため、消毒された水であれば雑菌の繁殖を抑えられます。

日本の多くの地域の水道水は、これらの条件をしっかり満たしていますので、まず問題はありません。

「でも、消毒成分の残留塩素が健康に良くないのでは…」と思うかもしれませんが、実際は健康に影響が出る濃度ではありません。

<残留塩素について詳しく知りたいならこちらがおすすめ!>
水道水に塩素が入っているのはなぜ?除去することは可能なの?

ただし、一部の地域(沖縄全土や千葉県の木更津市、埼玉県の熊谷市)では「硬水」のところもあります。そのような地域に住んでいる場合は、水道水ではなく軟水のミネラルウォーターを猫に与えたほうが安心ですね。こちらも詳しくは後述しますが、硬水は尿石症などの病気につながる危険があるからです。

また「井戸水」もあまりおすすめできません。病原菌などが含まれている可能性があるからです。場合によっては、消毒設備などの導入が必要になることもあります。

◇水道水の良い点
水道水のメリットは、まず値段の安さです。たとえば千葉県の水道代は1000Lあたりだいたい200円程度。販売されているペットボトルの水の場合は500mlで100円程度なので、ペットボトルの水1本は、水道水なら1000本分に相当します。

地域によって値段の差があるとはいえ、ペットボトルのお水に比べれば圧倒的に安いです。

それに、安全面でもメリットがあります。猫に与える水は長時間出しっぱなしにしていることも多いので、雑菌が溜まらないようしっかり消毒されている必要があります。その点、水道水は残留塩素によって消毒効果が持続するので保存性が高いです。

<水道水のメリットまとめ>
≒    値段が安い(ペットボトルの水1本は水道水ならおよそ1000本分)
≒    残留塩素による殺菌効果
≒    日本の水道水は軟水が多いので結石リスクが小さい

猫が水を飲まないとどうなる?

猫はあまり水を飲みませんが、水分不足は病気のリスクがあります。猫が水を飲まないことでかかりやすい病気を解説します。

◇猫が水を飲まないことでかかりやすい病気
猫がしっかりと水を飲まないと、尿の酸性・アルカリ性が適切なバランスで保たれなくなり、「尿石症(尿路結石症)」の原因となります。おしっこ中のカルシウムやマグネシウム、リンといったミネラル成分が増えすぎて、pHバランスが乱れてしまうことで膀胱内に結晶や結石ができてしまうためです。

また、硬水を与えた場合にも、尿石症のリスクが上がります。硬水はミネラル分(カルシウムやマグネシウムなど)が多く含まれていて、それが結晶や結石ができる原因になるからです。

そのような症状が起こると、トイレのときに痛そうにしたり、血尿が出たりします。

膀胱内でできた結石が、膀胱を傷つけて炎症を引き起こしたり、最悪の場合おしっこがしっかりと出せなくなってしまう「尿路閉塞」になり、命に影響も出てくるのです。

これらの病気を防ぐには、ミネラル成分があまりない軟水をたくさん飲ませて、尿を薄めることが大切です。

◇どれくらい飲んでいるかチェック
あまり水を飲んでいないようならば、器の水の量を測って、どれくらい飲んでいるかチェックしてみるのがおすすめです。

「体重1kgに対して30~50ml程度」が、平均的な猫が1日に飲む水の量です。これより少ないと水分が不足していることを疑いましょう。特に、暑い夏場や下痢を起こしているときは水分が不足がちになるので、入念にチェックしましょう。

◇脱水症状を起こしていないかチェック
猫の皮膚をつまんでみることでも、水分量が十分かどうかを調べられます。

脱水症状を起こしているときは、つまんだ形のまま皮膚の形がなかなか元に戻りません。さらに鼻や肉球の色がいつもと違っていたり、歯茎が乾燥していたりすることも脱水症状のサイン。そのようなときは、飼い主がしっかりと水分補給を促してあげるようにしましょう。

猫に水道水を飲ませる3つの方法

水分不足の解消のために飼い主ができることを3つ、ご紹介します。

◇カルキ抜きをしてあげる
猫は水道水のカルキ臭を嫌がることがあります。そのようなときはミネラル分の少ないペット用のお水にしても良いですが、カルキ臭は水道水を沸騰させたり、冷蔵庫で冷やしたりするだけでも、かなり消すことができます。そのような一手間を加えて与えてみるのもおすすめです。

<カルキ抜きの具体的な方法は以下の記事で解説しています!>
水道水がカルキ臭いのはなぜ?原因と水道水をおいしく飲むカルキ抜きの方法

ただし、カルキ抜きをした水は消毒成分の残留塩素も抜けています。その状態では雑菌が繁殖しやすくなるので、こまめに取り換えるようにしてください。

◇ウォーターボウルを工夫する
水を飲むときに、ウォーターボウルにヒゲが触れるのを嫌がる猫もいます。ヒゲが当たらないような、口の広いウォーターボウルに変えてみましょう。また、楽な姿勢でも飲めるように、適当な高さの台の上に乗せてあげたり、足付きの器にしたりすることもおすすめです。

多頭飼いをしている場合、他の猫が飲む水は飲みたがらないことがあるので、一匹ごとに器を用意してあげましょう。

◇ウェットフードにしてみる
ごはんを水分含有量の高いウェットフードにすると、食事をさせながら自然と水分を補給できます。ドライフードでも、できるだけお湯などでふやかしてから与えるようにしてみましょう。

まとめ

猫はもともと砂漠の生き物だったと言われています。そのため、他の動物と比べても水分はあまり取らない傾向があります。

しかし、あまりにも水分補給が足りていないと、尿路結石を始めとするさまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。そのようなときは、カルキ抜きをしてあげたり、ウォーターボウルを工夫してあげたりして、適切な量を摂取できるように配慮してあげましょう。

ちなみにこれらのことは、基本的に犬の場合も同じです。犬も「軟水」が最適。ミネラル分が多い水は尿路結石などにつながるので注意しましょう!