水とライフスタイル
純水・超純水の定義や違いとは?
2021/02/08純水と超純水という水をご存知でしょうか? 防災用品を備える家庭が増えていますが、保存水のパッケージに『純水』と記載されているのを目にしたことがある方も多いかもしれません。 純水と超純水は、いずれも不純物の少ない高純度な水のことを指しますが、それぞれ使用用途などが異なります。 この記事では、純水と超純水の定義や、飲料水として用いることができるのかについて解説していきます。
純水・超純水の定義とは?
実は、純水と超純水に関する厳密な定義は存在しません。しかし一般的には、以下のような差異から純水と超純水を区別し、それぞれを呼び分けています。
純水と超純水のそれぞれの特徴について、主な使用用途と併せて見ていきましょう。
◇純水はイオン類を除去した水
水中に含まれる不純物のうち、主にイオン類や有機物を除去した水のことを一般に純水と呼びます。
身近な純水には、イオン交換樹脂と呼ばれるろ過材に水を通し、塩類を取り除いたイオン交換水があります。また、水を蒸留させて不純物を除去する蒸留水も、純水と呼べる性質の水と考えられます。
ウォーターサーバーの水としてよく使用される、RO膜(Reverse Osmosis Membrane、逆浸透膜の一つ)でろ過したRO水も、純水の一種です。
純水は不純物が少ないため、雑味が少ないのが特徴です。ウォーターサーバーの水のほかに、市販のソフトドリンクの原料などにも純水が用いられています。
◇超純水は不純物を徹底的に除去した水
超純水は、純水よりも高度な技術を用いて、高い水準で不純物を除去した水です。そのため超純水は、高度精製水と呼ばれることもあります。
超純水の精製では、複数の処理方法を組み合わせて、微粒子や有機物、生菌、さらに水に溶けているガスまで徹底的に取り除きます。
このように、超純水は純水以上にクリアで、限りなくH2Oの状態に近づけた状態の水を指します。H2Oは水の化学式ですが、不純物などが何も溶けていない純粋な水(つまりH2Oそのもの)は、現実には存在しません。超純水も、不純物がゼロというわけではありません。しかし超純水の場合、不純物の量を極限まで減らしているので、数ある水のなかでもH2Oに最も近い水だといえます。
超純水は飲料水としてではなく、おもに電子工業や原子力産業、製薬事業などの分野で活用されています。半導体や液晶などの電子デバイスには、ほんのわずかの異物が残ることも許されません。そのためデバイスの洗浄には、不純物がほとんど混ざっていない超純水が用いられています。
超純水は、今日の科学技術の進歩を支えるために欠かすことのできない水なのです。
純水や超純水は飲めるのか?
純水や超純水は、半導体や液晶などの電位部品製造現場や、医療・工業分野、科学実験などで使われています。 したがって、純水には飲用というイメージがあまりないかもしれませんが、余計な雑味が混じらないことから、清涼飲料水や炭酸飲料、コーヒーやお茶などの原料水としても使われています。
ピュアウォーターという名前で販売されている製品も、大半は純水のことを指します。防災用品として保存食や保存水が注目されていますが、この保存水も純水や蒸留水がほとんどです。
また、ウォーターサーバーの水でよく使用されるRO水も純水の一種です。もちろんこのRO水も、飲むことができる水です。
純水と超純水は、人体にとって有害な物質が入っているわけではないので、理論上は飲んでも問題ないと考えられています。
ただし、一部の専門家からは、純水の溶解性は体に悪影響を及ぼすという指摘もされています。これは、純水は不純物がない分、体が保持しているミネラル分を溶け出させてしまう可能性があるという考え方です。
体にどういう影響を及ぼすかについては、現段階でははっきりと明言することはできません。もし心配な場合は、ピュアウォーターではない天然水や、RO水にミネラル成分が添加されている水を選ぶのがおすすめです。
もしピュアウォーターがご自宅や会社にあって、それを使い切りたいという場合は、そのまま飲むのではなく、お茶やコーヒー、料理などに使うとよいでしょう。
まとめ
高純度の水である純水と超純水の違いについて解説してきました。
純水は飲料水としても用いられていますが、超純水は医療・工業分野などの製造分野で主に使用されています。超純水は不純物が限りなくゼロに近い状態のため、わずかのごみも許されない半導体などの製品の洗浄水や医療用の水などでその特性を発揮します。
水は人が生きるために欠かすことのできない大切なものです。しかし昨今はさまざまな種類の水が販売されており、どれを選べば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
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参照元
<監修者プロフィール>
名前:山中 亜希
2004年、ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE」の立ち上げと同時にイタリアにてアクアソムリエの資格を取得。2008年より、アクアソムリエを養成する日本初のミネラルウォーターの専門スクール「AQUADEMIA」を開校し、校長に就任するとともに、ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE」のディレクターとしても活動。ミネラルウォーターの正しい知識・情報の普及のために、セミナーや講演、企業へのコンサルティング業務などを行っており、海外からもセミナーの講師として招聘されている。