水との新しい付き合い方をご紹介

水とライフスタイル

料理に水道水を使うとまずくなる?そもそも安全なの?

2019/10/30

料理に使う水はどのように選んでいますか? 家族の健康を考えておいしく安全な料理を作るなら、料理と水の関係について知っておくと安心です。ここでは、「料理に水道水を使うのは安全?」「味や風味がまずいって本当?」「塩素の影響は?」といった疑問にお答えしながら、自宅で水道水のカルキ抜きを行う方法についてご紹介します。

水道水は料理に使ってもOK?水道水の安全性

料理の際、水道水をそのままお味噌汁などにしていいかと悩む方は多いもの。まずは水道水の安全性について知識を深めて、日々の料理に活かしていきましょう。

◇水道水は安全
水道水には残留塩素が含まれています(0.1mg/L)。残留塩素とは、塩素消毒された水道水に残存している塩素のことです。塩素は原水に含まれる病原微生物を消毒する役割を持つため、安全な水道水を供給するために欠かない存在です。

また、水道水の水質基準は残留塩素だけでなく、一般細菌や化学物質など、人の健康に関わる成分についても規定されています。その検査項目は51項目にもおよび、全国各地で定期的な点検が行われています。

水道水の基準や検査項目について詳しく知りたい方は、以下のページをチェックしてみてください。
関連記事:水道水はどんな水?気になる安全性と水道水を飲むメリット

参考情報:水質基準項目(東京都水道局)

◇水道水は料理に使ってOK
水道水に含まれる残留塩素を気にする方は多いですが、水道水は安心して料理や飲み物に使用できます。

東京都水道局が平成28年に実施した調査では、水道水を調理に利用している家庭の割合は65.7%という結果に。女性のみを対象にした調査でも数値はほとんど変わらず、約6割の方が調理に水道水を使用していることが明らかになりました。

また、水道水を調理に使用している人の75.8%が、水道水に対して特に不満には感じていないという結果も見られました。

前述のように日本の水道水は安全性が高く、多くの家庭で調理に使われていることから、毎日の料理や飲み物に水道水を使用しても問題ありません。

とはいえ、水道水に「独特の風味を感じる」「料理や飲み物がまずくなる」と感じている方がいるのも事実です。水道水が料理の味や風味にどのような影響を与えてしまうのか、次で詳しく見ていきましょう。

水道水を料理に使ったら味は落ちる?まずい?

水道水を料理に使う際、気になるのが水道水特有の「カルキ臭」ですよね。味や風味の感じ方は個人差もありますが、水と料理の相性を知っておくと、料理の風味を損なわない適切な水を選べるようになりますよ。

◇水道水にはカルキ臭があるので、風味に影響する可能性あり
カルキ臭とは、水道水中に含まれる「クロラミン」という成分から発せられる臭いです。よく「カルキ臭=塩素の臭い」といわれることがありますが、カルキ臭は原水を消毒する過程で発生する臭いのため、「カルキ臭があるから残留塩素濃度が高い」といったことはありません。

水道水の水質は地域や季節など多くの条件から変動するため、カルキ臭も一定とは限りません。「今日は水道水がカルキ臭いな」と感じることもあるでしょう。

このようなことから、毎日の料理に水道水を使っていると、カルキ臭が料理の香りや味を邪魔してしまう可能性があります。

ただし、味や風味の感じ方は人によるところが大きいため、同じ調理方法でも「カルキ臭を感じる人」と「カルキ臭を感じない人」がいます。

◇水と料理の相性
次に、さまざまな料理に水道水を使った場合、風味にどのような影響があるのかを見ていきましょう。料理と相性がいい水についてもご紹介します。

・お茶
水道水のカルキ臭がお茶の風味を邪魔する可能性があります。

相性がいい水は、硬度30mg/L~80mg/Lの軟水です。適度な硬度を含む水は苦味・渋味・旨味をバランスよく引き出してくれます。ただし硬度10mg/L以下のような軟水は苦味や渋味が強く出過ぎてしまう場合があるため注意しましょう。

・フレーバードリンク
ハーブやミルク、フルーツを加えるフレーバードリンクは、しっかりとした味付けのレシピなら水道水を使っても風味を損ねにくいでしょう。ガムシロップやホイップを活用すると飲み応えもあり、低コストで手軽におやつ代わりの1杯を楽しめます。さっぱりとしたレシピで水道水のカルキ臭を抑えたい場合は、レモンを使ったアレンジがおすすめです。

・コーヒー
水道水のカルキ臭や、水道管から出るわずかな鉄分がコーヒーの風味を損ねてしまう可能性があります。

コーヒーはマイルドな酸味を楽しむなら軟水、コクと苦味を楽しむなら硬水が適しています。使用する豆に合わせた水選びができると、より深い味わいを楽しめるでしょう。

<コーヒーと水の相性について、詳しくは以下の記事をチェック>
関連記事:ウォーターサーバーで味が変わる?おいしいコーヒーに欠かせない「豆と水の相性」

・炊飯
お米は吸水時に臭いを一緒に吸収するので、カルキ臭のする水道水を使うと風味が落ちてしまう可能性があります。

炊飯に相性が良いのは軟水です(日本の水道水はほとんどが軟水)。硬水を使うと、お米がパサパサした仕上がりになりおいしくありません。

<お米と水道水の関係について、詳しくは以下の記事をチェック>
関連記事:【おいしくお米を炊きたい】お米は水道水で炊いてもいいの?

・黒豆
黒豆を戻す際は水に5~6時間浸しておく必要があるため、細菌が増えにくい水道水を使うと安心です。また、日本の水道水は軟水です。水道水で煮れば、ふっくら柔らかな仕上がりになります。軟水はカルシウムやマグネシウムといった硬度成分が少ないからです。逆に、硬度の高い水で煮れば、固い仕上がりになります。

固めの食感が好きな場合は硬度が高めのミネラルウォーターを、ふっくら柔らかい食感が好きな場合は水道水を使うなど、好みに応じて水を使い分けてみましょう。

・出汁(ダシ)を活かす料理
昆布出汁や鰹出汁を取る際は、水道水を使うとカルキ臭が風味を邪魔する可能性があります。出汁を取る際は硬度の低い水を選ぶと素材の旨味成分(グルタミン酸やイノシン酸)をより多く引き出すことができるため、軟水を選ぶと良いでしょう。

・貝類の砂抜き
貝類は砂抜き前に水道水で洗うことで食中毒(腸炎ビブリオ)の予防になります。貝の表面を水道水でよく擦り洗いすると、細かな砂も落とすことができるので忘れずに行いましょう。

また、シジミは淡水、アサリは海水でそれぞれ生息しているため、シジミは真水、アサリは塩水で砂抜きをするという考え方が一般的です。しかし、シジミは真水に浸けると旨味成分が損なわれてしまうため、シジミにも塩水(水道水1Lに対し、食塩10gが目安)を使用することがおすすめです。

・肉料理
肉料理に水道水を使うと、加熱の過程で肉の臭み成分を引き出しやすくなります。肉料理の臭みを抑えて風味を高めるなら、カルシウムが豊富な硬水を使ってみましょう。肉の臭みは主に肉が持つタンパク成分のため、カルシウムとタンパク質が結びつくことでアクとして排出できます。

料理の歴史に水がどのような影響を与えてきたのか、水と料理の関係について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
関連記事:水と料理

水道水のカルキ臭を除去する方法

水道水は安心して料理や飲み物に使える水です。しかし、作る料理によってはカルキ臭が気になってしまうケースも多いもの。そんなときは、次にご紹介するカルキ臭を抑える工夫を取り入れてみましょう。

◇水道水のカルキ抜きを行う
自分で水道水のカルキ抜きを行うには、以下のような方法がおすすめです。

・煮沸
沸騰させた水を数分間弱火で加熱し、湯冷ましにすることでカルキ臭を抑えられます。

・汲み置き
水道水を数時間汲み置きしておくとカルキ臭を空気に逃がすことができます。空気と接する面が増えるよう、面積の大きな容器や大鍋などを使用しましょう。

・レモン果汁を入れる
レモン果汁(ビタミンC)は水道水中のカルキ臭を抑えてくれる働きがあります。

カルキ臭の原因や、水をおいしく飲む方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事:水道水がカルキ臭い原因と水道水を美味しく飲むカルキ抜きの方法

◇浄水器やウォーターサーバーを使用する
水道水に含まれるカルキ臭は、特殊なろ過ができる浄水器で抑えることが可能。また、ウォーターサーバーを活用すると、そもそもカルキ臭のない水やお湯を手軽に調理に使用できます。

浄水器とウォーターサーバーは異なる特徴があるため、一概にどちらが良いとは言えません。浄水器とウォーターサーバー、どちらが自分に向いているか知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

関連記事:浄水器とウォーターサーバーのコスト・利点比較

まとめ

水道水は厳しい基準項目をクリアした安全な水です。毎日の料理に使っても体に影響はありませんが、カルキ臭などが気になる場合、使う判断は人それぞれです。

水の風味をダイレクトに感じる飲み水にはウォーターサーバーやミネラルウォーターを選んで、風味に影響が出にくい味の濃い料理や煮込み料理などには水道水を選ぶなど、水の使い分けをしてみるのも賢い選択と言えるでしょう。