水とライフスタイル
水道水がまずい原因とは? それぞれの対処方法を解説
2021/04/05水道水を飲むと、「ミネラルウォーターと比べて、おいしくない……」と感じることがあるかもしれません。 なぜ、水道水には独特の臭いや味があるのでしょうか? この記事では、水道水をまずいと感じる原因と対処法を解説していきます。 水道水をおいしく飲みたい方は、ぜひ参考にしてください。
水道水がまずい原因と対処方法
水道水がまずいと感じるのには、どのような原因があるのでしょうか?
ここでは、水道水の独特の風味の理由と、その対処方法について見ていきましょう。
◇カルキ(塩素)
水道水には消毒剤として、ごく微量の塩素が使用されています。
塩素が水道の原水に含まれているアンモニア性窒素と化学反応することで、「クロラミン※」という物質が生まれます。このクロラミンが、独特のカルキ臭を生み出してしまうのです。
水道水に塩素を添加することは法律によって義務付けられている(残留塩素を1リットルあたり0.1㎎以上保持すること)ので、日本のどの地域の水道水でもカルキ臭がします。ただ、地域によってカルキ臭の程度に差があるため、水道水の風味は地域によって異なります。
カルキ臭を抑える方法はいくつかあります。
たとえば、以下のような方法で臭みを軽減できるので、試してみてください。
- 水道水の煮沸や汲み置き
- レモン果汁の添加
- 冷蔵庫で冷やす
ただ、いくら簡単といえ、毎日煮沸などの処理を行なうのは大変だと思います。 ペットボトルの水の購入や、浄水器の設置、ウォーターサーバーの導入などで、手間を軽減するのもおすすめです。
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※ クロラミンの有害性については、水生生物への試験で毒性が確認されています。人が口にした場合の毒性についてはハッキリとわかりませんが、クロラミンは水道の水質基準項目に含まれていない物資です。
したがって、水道水中の塩素から発生する程度の量であれば、飲み続けても人体に影響はないと思われます。
◇サビや金属
水道管の劣化によるサビ、金属類の溶け出しなどで、水道水をまずいと感じることもあります。特に朝一番や、長期間水道を使わなかったときは、サビや金気臭を感じやすくなります。
サビや金属による風味の悪化への対処法は、水道水を飲む前に、蛇口から水をしばらく出しっ放しにすることです。水道管に残っていた古い水が新しい水と入れ替わることで、苦みや渋みが軽減されます。
それでも変な味がするなら、水道の配管の修理や取り替えが必要になるかもしれません。この場合、工事を業者に依頼することになります。
◇水温の影響
水道水の風味には、水温も影響します。
夏場など、気温が高くなると水温も上がります。
東京都の場合、夏場(7~8月)は水温が25℃以上になることもあります。
水温が上がると、味や臭いを感じやすくなるため、水道水のカルキ臭や金属臭も強く感じるようになります。
夏場、水道水がぬるいと感じた場合は、水を一度冷蔵庫で冷やしてから飲むようにするとよいでしょう。水温を下げればカルキ臭が抑えられるだけでなく、清涼感も増すため、水道水が格段に飲みやすくなりますよ。
◇貯水槽の衛生状態の悪化
水道水がまずい理由が、水そのものではなく貯水槽に原因があることも。
3階建以上のマンションは、貯水槽(受水槽)から水を各階に運んでいるケースが多くあります。貯水槽の維持・管理が徹底されている場合はいいのですが、そうでない場合、衛生状態が悪化して水道水にも悪影響をおよぼします。
貯水槽の衛生状態が悪化すると、カビや藻類が繁殖することもあり、それが水道水の味に影響している可能性もあります。
水道水がまずいと感じたら、マンションの所有者、管理者に問い合わせることも検討しましょう。
水道水の味、地域差はあるのか?
水道水の水源は地域によって異なるため、水道水の味には当然地域差があります。
水道水の味については、単純に「この地域の水道水はおいしい(まずい)」と言えるものではありません。おいしさの感じ方は個人によって違いますし、体調や気温などにも左右されるからです。
日本国内に限ってみれば、水道水が極端にまずいという地域はないといわれています。
国内の各水道事業体がそれぞれ努力しており、水質に問題のない安全な水を飲める環境が全国で整っているからです。
よく「東京の水はまずい」と言われることもありますが、以下の東京都水道局のページのデータを見る限り、不快な臭いや味はほとんどないことがわかります。
参考:東京都水道局 | おいしさに関する水質目標 | 水源・水質
新しい地域に引っ越した際などは、初めのうちは水道水の微妙な味の違いに違和感を覚えるかもしれません。しかしその違和感も、水道水の味に慣れてくれば、さほど気にならなくなるはずです。
まとめ
ここまで、「水道水がまずい」と感じる原因や対処法について解説してきました。 水道水は消毒用の塩素によるカルキ臭や、水道管や貯水槽のカビやサビなどが原因となり、風味が悪くなっていることがあります。 また、水温が高い場合は水の雑味が際立ってしまうため、水道水を飲む際には一度冷蔵庫で冷やすなどの対策をとると良いでしょう。 水道水の味には地域差がありますが、国内では各水道事業体の努力により、安全・安心な水を飲むことができるようになっています。 どうしても水道水の味や臭いが気になる場合は、ペットボトルの水を購入したり、ウォーターサーバーを導入したりすることをオススメします。より安全性の高く、おいしい水を手軽に飲むことができるようになります